ホースコーチングプログラムのリブランディング
Takramは、株式会社COASが札幌の牧場で提供する、馬との体験を通したプログラムのリブランディングを手がけました。このプロジェクトでは、これまで「ホースコーチング」の名前で親しまれていた、馬をコーチとする内省・行動変容プログラムをメンバーが現地で実際に体験。身体的・心理的な感覚を取り入れながら合宿形式で行なうプロセスで実施しました。扱った内容は、これからの事業展開を見据えたプログラム構造の整理をはじめ、ビジュアルのトーン&マナー設定、ネーミング・ステートメント作成、サービスウェブサイト作成です。
思考だけでない、感覚を通した協働
このプロジェクトでは、プロジェクトメンバー4名が合宿形式で4日間牧場に滞在し、実際にホースローグのプログラムや現地の空気感を体感しながらブランドを考えるプロセスを試行しました。
通常のように論理的・理知的にサービスやブランドの提供価値を構築するだけでなく、株式会社COASのメンバーや馬と短期間の生活を共にすることで、牧場の空気や馬の存在など感覚的な価値や質感を深く同期することができました。
4日間の合宿後、複数回にわたるワークショップ形式のディスカッションを通じて、COASが提供するプログラム構造の整理およびネーミング・ステートメント作成、ブランドを表現するビジュアルのトーン&マナーの設定、サービスサイトでの情報設計を行ないました。
合宿で得られた非言語的な体験・体感が共通言語となり、その後のプロセスでは立場や役割を越えたコラボレーティブでスピーディーなプロジェクト進行が可能になりました。
プログラムのコアを再発見するバーバルデザイン
現在コアプログラムとして提供されているホースコーチングに加え、アロマ、フォレストなどを題材としたサブプログラム展開の構想がありました。そこでTakramは、COASが提供するプログラム全体の構造を整理し、それらの傘となる大きなコンセプトを探りました。
その結果、一方的に教わる印象のある「コーチング」という言葉ではなく、馬などの題材を通した自分自身や他者との対話、つまり「ダイアログ」こそがこのプログラムのコアであると定めました。
このコアに基づいて「Nature Dialogue Program」というコンセプト、「Horselogue」「Artlogue」「Aromalogue」「Forestlogue」というプログラムのネーミングを作成。さらに、それらの世界観を伝える情緒的なステートメントを作成しました。
ブランドの思想を真摯に伝えるビジュアルとサイトデザイン
合宿を通して定義したコアを元とし、ブランドのもつ世界観をビジュアルで伝える際の方針を策定しました。自分自身や自然との「ダイアログ」を実施する際に大切な要素を入れ込み、「静かな力強さ」「余白」「根源」「真摯さ」の4つのクリエイティブキーワードを策定。写真撮影やWeb作成時の具体的な反映例などを添え、牧場に行ったことがないコラボレーターの方にも感覚を共有し協働できるように進めました。
この指針が各種アウトプットに反映されることで、単なる情報伝達を超えて牧場の空気感までもが伝わることを目指しています。
Project Information
- Client: COAS
- Expertise: Brand
- Year: 2024
Project Team
- Project Direction: Kotaro Watanabe
- Verbal Design: Kotaro WatanabeYoshifumi Yanai
- Web Draft Design & Information Architect: Yuki Takai
- Brand Creative Concept & Web Design Management: Suika Yamada
- Web Design & Development: Shunsuke Kudo (Collaborator)
- Photography: Takafumi Matsumura (Collaborator)
- Instructors: Motoko KobinataAmii AbeHermèsArcherJoy (COAS members)