ビッグデータビジュアライゼーションや解析のためのフレームワーク
ビッグデータの新しい価値を見出すために、データビジュアライゼーションが注目を浴びています。その一方で、ビッグデータビジュアライゼーションは、膨大な量のデータを扱うための仕組みや、高速に美しいグラフィックを描画するための土台を構築するのに多くの時間を要します。この課題に対し、Takramは地理情報を持ったビッグデータをビジュアライズするための汎用プラットフォーム「Theodolite」を開発しました。Theodoliteを用いることで、地図の描画やデータの高速な読み込みなど、基本的な機能実装に時間を費やすことなく、データの可視化に注力することが可能となります。
ディティール: Theodolite
Theodoliteは3D空間上に仮想の地球儀を描画し、詳細な地図上にオブジェクトを描画するための様々な機能を提供します。地図上にデータに基づいたグラフィックを描画することで、数値やグラフなどでは把握の難しい大規模で複雑なデータを、上空から眺めるように俯瞰することが可能です。このTheodoliteを使ったTakramの代表的なプロジェクトの一つに、国の経済データをビジュアライズした「RESAS Prototype」があります。その他にも、世界中の上空を飛び交う飛行機の現在位置や、さらに上空を飛ぶ人工衛星の位置など、位置情報を持つ様々なデータのビジュアライズに力を発揮します。
コンセプト: Analyzation and Visualization
Takramではビッグデータに対する取り組みとして、アナライゼーションとビジュアライゼーションの2つの軸からアプローチしています。従来、ビッグデータの活用はアナライゼーション(分析)から仮説を導き出すという方法で行われてきました。しかし、ビッグデータは、その情報の膨大さから全体を把握をすることが難しく、アナライゼーションだけでは、情報を俯瞰した判断を下すことが困難です。それに対し、ビジュアライゼーション(可視化)は俯瞰的な把握を可能とし、アナライゼーションによる分析的理解の欠点を補うことが可能です。アナライゼーションとビジュアライゼーションを組み合わせることで、仮説の精度を上げ、現実世界に適用できるソリューションを生み出すことができるのです。
目的: ビッグデータ活用の未来
Takramではアナライゼーションとビジュアライゼーションの2軸を組み合わせることで、理解と把握の間をスムーズに行き来できるシステムを志向しています。そのような思想を実現した具体例として、TakramではデータアナライゼーションシステムとしてDataDiverを、データビジュアライゼーションシステムとして、RESAS – Prototypeの設計・デザインを行いました。ビッグデータは昨今、次世代のオイルと例えられるほど産業の推進力としての可能性を秘めています。Takramは今後、アナライゼーションとビジュアライゼーションの技術を的確に取り入れ、ビッグデータを用いたビジネスをより加速することができるプロダクトの開発を目指していきます。
Project Information
- Expertise: Digital
- Year: 2016
Project Team
- Project Direction: Minoru Sakurai
- Creative Direction & Software Engineering: Minoru Sakurai
Minoru Sakurai
Design Engineer, Project Director