RAKSUL
伝統的産業とテクノロジーを掛け合わせて革命を起こすスタートアップためのVIリニューアル
Taramは、2021年1月からラクスル株式会社のデザイン推進室と伴走し、デザイン経営を実装するためのサポートをしています。「デジタル化が進んでいない伝統的な産業にインターネットを持ち込み、産業構造を変え、世の中に大きなインパクトを与えていきたい」というラクスル株式会社の事業への思いをデザインの力で加速させていくために、まずその礎となるコーポレートVIのリニューアルを手がけました。
コーポレートVIは、ラクスル株式会社がデザイン経営を推進するうえで、多岐にわたる事業を束ねていく求心力となるものです。そのため、デザイン推進室だけでなく、さまざまな職域の社員の方々と「いまのRAKSUL、これからのRAKSUL」などについて、数多くのコミュニケーションを重ねました。こうしたリサーチで集めた社員の声からいくつかのキーワードを導き出し、コーポレートVIのリニューアルを進めていきました。
歴史がもつストーリー性へのリスペクト
ラクスル株式会社のシンボルは、「B42」と呼ばれる活字をベースにデザインされています。このB42は、ヨハネス・グーテンベルクが活版印刷技術を使って印刷した西洋初の印刷聖書に用いられた活字です。コーポレートVIのリニューアルにあたり、旧来のシンボルを抽象化させるなど、さまざまなバリエーションを模索しました。歴史がもつストーリー性をリスペクトし、原型を残しつつ、ブラックレター書体の書き順に不自然さを感じないようチューニングしたほか、小さく表示された時にも視認性が高まるように余白のバランスを調整するなど、細かなアップデートをしました。
新旧の融合を表現したロゴタイプ
ロゴタイプは新たにオリジナルでデザイン。ラクスル株式会社が提供するサービスのインフラとしての安定感を醸成するため、これまでの大文字と小文字が混在したタイプフェイスを大文字に統一しました。現代的なタイプフェイスをベースにしながら、角に丸みをもたせることで、印刷特有の“にじみ”が感じられるようにするなど、伝統的な産業にインターネットを持ち込むという、ラクスル株式会社が掲げる新旧の融合を演出しています。
活版印刷の要素を取り入れたモーショングラフィック
伝統的な産業を優れた仕組みで効率化し、その価値を高めるRAKSULの事業。そのミッションを印刷産業にイノベーションを起こした活版印刷に重ね、新しいロゴで「金属活字」「組版」をイメージしたモーショングラフィックを制作しました。
ブランドガイドラインの策定
メディアが多様化するなかで、さまざまな使用場面を想定したブランドガイドラインを策定。背景色に関わらず視認性が保てるよう、ダーク背景用のロゴデータも作成。ロゴの線の太さや余白などを微調整しています。
Project Information
- Client: RAKSUL
- Expertise: Brand
- Year: 2021
Project Team
- Project Direction: Kanako Kawahara
- Creative Direction: Kanako Kawahara
- Graphic Design: Ray Masaki (ex-Takram)Kanako Kawahara
- Motion Design: Ray Masaki (ex-Takram)
- Design Research & Advisory: Keisuke Kambara
- Advisory: Kinya Tagawa
- Brand Site - Design: Kanako Kawahara
- Brand Site - Development: Masafumi Itokazu (RAKSUL INC.)
- Music for Brand Video: Yusuke Izumi (RAKSUL INC.)
- Special Thanks: Sota Mizushima, Ai Matsumoto, Masaki Azumi, Masaaki Takesue, Michio Kuratani, Yukari Kamo, K Sasaki (RAKSUL INC.)
Kanako Kawahara
Digital Product Designer, Project Director
Keisuke Kambara
Design Engineer, Project Director
Kinya Tagawa
Design Engineer, Project Director