NOT A HOTEL
ハイエンドな別荘を提供するサービスのグローバル展開
新たなラグジュアリーの定義
NOT A HOTELのグローバル展開における最重要ターゲットである北米市場に向けて、ブランドの新たな軸と戦略を導き出すためにターゲットペルソナの定義を行いました。NOT A HOTELとTakramは、海外で高級物件を購入するという財務的な負担を考慮し、超富裕層を最も有望な市場セグメントとしてターゲットにしました。
そのデモグラフィックの中で、「日本文化」「新しい高級感」、そして「芸術作品」に興味を持つニッチなグループを特定し、ターゲットオーディエンスとして想定しました。コレクターや投資家、文化の先駆者、日本愛好家、そして日常生活の中で創造的なインスピレーションを求め、希少でユニークな体験やプロダクトに価値を見出す芸術愛好家です。
“Inspire Living” と価値の抽出
定義したターゲットオーディエンスのニーズに基づき、“Inspire Living” というブランドアイデアを見出しました。これは、NOT A HOTELの卓越した建築美学へのこだわりと先端的な技術活用、そして顧客に提案する型破りな生活様式を象徴しています。
所有物件をホテルとしても貸し出すことができるなど独自性の高いビジネスモデルを考慮し、海外のオーディエンスに向けて「所有の柔軟性」「複数物件の相互利用」「パーソナルコンシェルジュ」などのベネフィットを、明快な言葉で表現することが重要でした。そして、企業の哲学やビジョン、これまでに事業で築いてきた実績を伝えることで、サービスの信頼性を示しました。また、ニッチなグループに寄り添える哲学やクリエイティビティを備えたチームであることも伝えています。
大胆な新しいデザインの創造
ウェブサイトのデザインにおいては、当初、既に日本で高い支持を集めるブランドのトーンをそのままに、ミニマルな表現の採用を想定していました。しかし、サービスの創造性とその背景・舞台裏への好奇心が旺盛な北米のターゲットオーディエンスに向けては、そのアプローチだけではブランドの魅力を効果的に伝えることができないと考えました。
Takramは、NOT A HOTELの経営層との対話から生まれた大胆で先駆的な姿勢を、前衛的に表現するデザイン言語へと刷新しました。その結果、広がりのあるイメージ、ボールドなタイポグラフィ、そしてクリーンなグラフィックスを特徴とする、洗練されたアイデンティティが生まれました。
別世界に誘うウェブ体験
ウェブサイトは没入感のある体験を設計し、ターゲットオーディエンスにNOT A HOTELの建築の美しさと革新性を伝え、インスピレーションを与えることを目指しました。迫力のあるビジュアルはオーディエンスを「Dream Homes」に誘い、印象的なポートレートによって建築家やデザイナーの存在感を高めています。
また、直感的な情報設計と最適化された操作フロー、オーディエンスが適切なタイミングでサポートを受けられる導線の設置などにより、海外のオーディエンスにとってストレスの掛かる物件購入プロセスをシームレスなものにすることで、スムーズな体験を提供しています。
Project Information
Project Team
- Project Direction: Motosuke Fukuda
- Brand Strategy: Mari Iwahara
- Design Direction: Kosuke Futsukaichi