スモールビジネスをエンパワーするSaaS企業のブランディング
Takramは統合型経営プラットフォームを提供するfreee株式会社のリブランディングをお手伝いしました。リブランディングにあたっては、経営層や現場へのインタビューを重ね、freeeがサービスを通して提供しようとしている価値や体験をブランドコアおよびデザイン原則として言語化。それらをもとに、ブランドロゴ・イラストシステム・デザインガイドラインなどを手掛けました。
Research
プロジェクトをはじめるにあたり、freeeのミッションおよび事業戦略の理解、エグゼクティブや社内メンバーへのインタビュー、業界トレンドのリサーチなどを行い、freeeが目指している理想の姿と現状の課題、そしてリブランディングへの期待を整理しました。
そのなかでブランド・デザイン観点の課題として、これまで主サービスだった「会計ソフト」のイメージが強くあり、freeeの目指しているビジョンや統合型であるサービスの提供価値が、世間に正しく認知されていないこと、また創業当時から使用されてきたデザイン言語も、多様化するサービスや組織形態に対応しきれていない現状などが明らかになりました。
また、すでにデザインコンセプトは存在していたものの、それがミッションやビジョンと強く結びついておらず、どのようにそれを実現するかも定義がありませんでした。これらの課題を踏まえて、freeeがサービスを通して提供するユーザーの状態や感情をブランドコアとして、そのために大切にする体験や世界観をデザイン原則としてまとめました。
Brand core
ブランドコアは、freeeがあることでスモールビジネスに携わるあらゆる人々にどのように感じてもらいたいかを表したものです。
インタビューや対話を重ねるなかで、誰もが自由に経営できる世界をつくりたいという強い想いを感じ、提供価値の核として「自由」という言葉を据えました。さらにその自由を「解放」「自然体」「ちょっとした楽しさ」という三つの要素に噛み砕き、それぞれのストーリーを描くことで、より具体的にfreeeが目指している社会をイメージできるようにしました。
Design philosophy
デザイン原則は、ブランドコアを達成するために、プロダクトやコミュニケーションを通して、どのような体験や世界観を届けるかを表したものです。
freeeがデザインにおいて大切にしていることやそこに足りないものを分析しながら、ブランドコアをデザイン文脈で再構成することで、「かろやかシンプル」「あんしんインテリジェント」「まえむきリラックス」「たのしさスパイス」という4つのキーワードを導出しました。ブランドサイトでは、キーワードごとにムードボードとデザインイメージを公開しています。
Logo
これまで愛着を持って使ってきたツバメのシンボルと筆記体のロゴタイプは、それぞれのアイデンティティを踏襲しながら、より使いやすく、そしてfreeeが目指す世界観を表現できるようにリデザインしました。
「解放」の象徴として創業時からモチーフとして用いられてきたツバメは、ユーザーの自由を支える象徴として再解釈、ツバメの形状を見直し、よりなめらかでシンプルなものに磨きました。アニメーションやポーズがつけやすくなったことで、シーンに合わせてちょっとした楽しさを演出することもできます。
Illustration
References
デザインガイドラインやリソース、さらに詳細については、freeeのブランドサイトで公開されています。そちらもあわせてご覧ください。
Project Information
- Client: freee
- Expertise: Brand
- Year: 2021
Project Team
- Project Direction: Shota Matsuda
- Creative Direction: Shota Matsuda
- Brand Concept: Shota MatsudaTakuma Oishi
- Art Direction: Kotaro Yamaguchi
- Graphic Design: Kotaro YamaguchiTomoro Hanzawa
- Brand Messaging: Takuma Oishi
- Web Development: Ryosuke Fujii
- Illustration: Tomoro Hanzawa
- Brand Manager & Copywriter: Yu Zeniya (freee brand studio)
- Creative Director: Tetsuya Ogawa (freee brand studio)
- Brand Producer: Arimi Asai (freee brand studio)